《Mr.リビンマッチが解説する》法律用語解説2

「Mr.リビンマッチが解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産契約解説サイト」今回は「法律用語解説2」です。

前回に引き続き、用語解説を行っていきます。用語は法律上のルールを定義するものとなりますので正しく理解することが大切です。

 

直ちに、遅滞なく、速やかに

3つの言葉は、行動を促すときに、「すぐに」という意味で使われますが、ニュアンスが異なります。
「直ちに」は、「有無を言わさず、今すぐに」という、強い言葉です。「遅滞なく」は、「遅れなければよい」という感じで、合理的な理由があれば遅れてもかまわないという、弱い言葉です。
「速やかに」は、一般には両者の中間とされますが、実際は、他のふたつの言葉とは違う文脈で使うことが多く、3つの言葉を同じ次元で考えないほうがよいでしょう。

つまり、「直ちに」と「遅滞なく」は、ある行為を促すための言葉で、実行しないとペナルティを課す場合に多く使います。それに対し、「速やかに」は、「速やかに~~すべし」という、訓示的な意味合いの言葉で、ペナルティとは別の文脈で使われることが多いようです。

 

「できる」と「しなければならない」

法律の条文や契約書を読むときは、文末の言葉に注意します。とくに、「できる」という言葉は重要です。「しなければならない」という言葉と対比させながら、その用法を説明します。

「しなければならない」は、その行為を100%しなければならないことで、行為者に選択の余地はありません。それに対して「できる」は、「したければすればよいし、したくなければしなくてもよい」という選択の余地があります。
契約の相手方に債務不履行があったときは、契約解除できるのですが、実際はそこまで突き進むことは少なく、より穏やかな解決を図ることが多いでしょう。「やればできるけれど、やらないこともある」というのが、「できる」という言葉の実質です。

 

「とき」と「時」

「とき」は、英語の “in case of” で、「あることが起きたときは」という、条件を示すときに使います。 それに対して「時」は、具体的な時点を示すために、「相続開始の時から」 のように使います。

 

「善意」と「悪意」

日常語では、善意と悪意という言葉には、善悪という道徳上の意味合いがありますが、法律では、道徳的意味合いはなく、ある事柄を知っているか否かを意味します。
「善意」は、ある事柄を知らないこと、「悪意」は、知っていることです。よく「善意の第三者」という使い方をして、善意の人間の立場を保護します。

 

「法定」

「法定」の使用例には、法定更新、法定相続分、法定地上権などがありますが、この言葉には、ふたつの意味があります。
(1)「法律により当然に」という意味
あることが起こる条件を満たした場合は、法律の定めにより当然に、自動的に起こるもので、本人の意思や当事者の合意によらずに、そうなることを意味します。例としては、法定更新や法定地上権があります。
(2)「法律で一応定めておく」という意味
当事者の合意があれば、それを優先し、合意がない場合は、法律で定めた内容を適用するという意味です。つまり、当事者の意思(合意)により、法律の定めを変えられるもので、例としては、法定相続分があります。

当事者が変えることのできない「法定」(1)は、いわば強行規定的な性格、
当事者が変更できる「法定」(2)は、任意規定的な性格ということができます。