「リビンマッチ・不動産契約解説サイト」今回は「契約ガイド:債務不履行」です。

債務不履行について

債務不履行とは

契約は、両当事者が契約にもとづく債務(義務)を果たすことで成就します。債務を果たさないことを、債務不履行といい、債務不履行があった場合は、その法的責任を追及できます。しかし、たんに債務不履行の事実だけでは不十分で、債務者に落ち度があることが必要です。

売買目的の住宅が大雨で流された場合は、売主の責任を追及できません。大雨で流されたのは売主の落ち度ではなく、不可抗力によるものであり、その責任まで売主に負わせることは酷だからです。

帰責事由とは

債務者の責任を追求するためには、債務者の責めに帰すべき事由が必要で、これを帰責事由といいます。逆に言えば、債務不履行への対する、帰責事由がない場合は責任を負うことはないのです。

 

民法が定める債務不履行への対応策とは

債務不履行があった場合、どのような対応を行えばよいのでしょうか。民法で定める対応策には、強制履行、契約解除、損害賠償の請求の3つがあります。これらは、履行すべき債務の性質や債務不履行が起きた状況などにより、適用の可否が分かれます。また、複数の対応策を同時に適用できる場合もあります。

強制履行・・・法的強制力をもって、相手方に債務の履行を迫ることです。不動産に関しては、借地権が消滅したのに借地を返還しない借地人に対し、建物を収去して土地を明け渡せという裁判を申し立て、その判決にしたがって履行を迫る例があげられます。

契約の解除・・・両当事者の合意により成立した契約関係を、当事者のどちらかが一方的に解消させることをいいます。相手方に対する信頼を失って契約をやめたいときや、契約による自分の義務を免れたいときに行います。

損害賠償の請求・・・債務不履行によって生じた損害、すなわち契約実現により得られたであろう利益の喪失、または契約にもとづく自分の義務を果たすための出費等の損害に対して賠償を求めることです。損害賠償の請求は、債務不履行があったときに法律により当然に認められるもので、契約による合意がなくても可能です。

とはいえ、現実には、これらの対応策がつねにとられるわけではありません。また、上記の3つ以外の対応策がとられるときもあります。また、これらの記載の
各条文は、「~することができる」と書かれており、必ずしなければならないわけではないのです。民法は、契約解除と損害賠償の規定をおきながら、「できる」という表現にとどめて、それ以外の対応の余地を残しているのです。

民法の規定を金科玉条にしてしまい、債務不履行ときけば、短絡的に、契約解除や損害賠償について考えることは恐ろしいことであり、注意が必要です。実際の不動産契約では、民法の規定を補いながら、たとえば瑕疵担保責任に対する修補請求のように、さまざまな対応策を模索しているのです。