「リビンマッチ・不動産契約解説サイト」今回は「契約ガイド:契約解除の効果」です。

契約解除の効果とは

契約の解除は、いったん有効に成立した契約関係を解消することです。契約解除の結果、次のようになります。
・契約関係は、成立時にさかのぼってなかったものとされる
・契約解除時点で履行されていない債務は、履行する必要がなくなる
・すでに履行された債務により生じたものは、元に戻される

原状回復義務

契約解除により、契約にもとづく債権債務関係は、もともとなかったことになります。よって、すでに履行されたものは元の状態に戻し、受け取ったものは返す必要があります。これを、原状回復義務といます。
原状回復義務という言葉は、賃貸借契約の終了により、賃借人が借りた物件を元の状態に戻して返す場合にも使われ、不動産業界ではそちらの用法のほうが一般的かもしれません。

解除と解約

契約の解除について、厳密にいうと、「解除」と「解約」のふたつの用語を使い分けることがあります。

解除・・・契約の効力を、将来に向かってだけでなく、過去の契約締結時にさかのぼって失わせること

解約・・・契約の効力を、将来に向かってのみ失わせること

つまり、解除・解約時点と契約締結時点の間には、時間の経過、つまり過去があり、 同時に、解除・解約時点からの将来があります。解除・解約とも、その意思表示のときから将来に向かって、契約を解消する点は同じですが、その効果を過去にさかのぼらせるかどうかが違います。解除は、過去にさかのぼらせて契約関係を解消さ せます。それに対し、解約は、過去にさかのぼらせず、意思表示時点までの行為は有効とします。

売買契約では、契約時に手付金を授受しても、代金支払い・引渡し前であれば、売買物件を実際に使用したわけではなく、たんに金銭を授受しただけなので、売主は手付金の倍額を返すことにより、契約時にさかのぼって何もなかったことにできます。 「しかし、賃貸借契約では、解約時まで物件を使用した事実は消すことができ ません。このように元に戻せない、つまり過去を消すことができない法律関係に対しては、厳密には、解約という言葉を使います。

すなわち賃貸借では、貸し続けてきた過去について効果を遡及させず、これから先は貸さないとします。