《Mr.リビンマッチが解説する》契約ガイド:登記の先後優劣の判定

先生

「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説するリビンマッチ(旧スマイスター)・不動産契約解説サイト」今回は「契約ガイド:登記の先後優劣の判定」です。

権利変動の優劣は、実際に行われた時間的順番ではなく、登記された順番により決まりま す。ですから、権利変動に関する甲区・乙区の登記では、その順番が重要です。
同じ区での権利の優劣を判定するためには、順位番号を利用します。登記された順番に順位番号を付けるので、若い順位番号の登記が、時間的に前となります。例をあげて説明しましょう。

・順位4番:所有権移転登記・・・所有者 A
・順位5番:所有権移転仮登記・・権利者B
・順位6番:差押登記
・順位7番:所有権移転登記・・・所有者C

順位7番の所有権移転登記より、5番の所有権移転仮登記や6番の差押登記のほうが早いので、仮登記が本登記になったり、差押にもとづいて売却されると、これらの登記に後れる所有権移転登記にもとづく所有者Cは、その所有権を失います。

受付番号による判定

先後優劣の判定は、実際はそう簡単ではありません。 なぜなら、別の区である甲区の権利と乙区の権利をクロスさせながら、その優劣を判定しなければならないからです。 この場合には、同一区内での相対的な順位を示すだけの順位番号は、役に立ちません。甲区・乙区を通じて絶対的な基準となるもの、すなわち登記の受付 年月日および受付番号により判定します。
中区・甲区を通じての先後優劣の判定を、例により説明しましょう。

【甲区】
4番 所有権の移転 平成5年1月30日 第3345号 所有者A
5番 所有権移転仮登記 平成14年12月10日第12645号 権利者B
6番 差押 平成15年12月25日第12563号 債権者E銀行
7番 所有権移転 平成16年3月12日第6568号 所有者C
【乙区】
1番 抵当権設定 平成5年1月30日第3345号 抵当権者D銀行
2番 抵当権設定 平成10年8月10日第4565号 抵当権者E銀行
3番 賃借権設定 平成16年1月25日第3123号 賃借権者F
4番 抵当権設定 平成16年3月12日第6569号 抵当権者G銀行

競売(甲区6番差押)を申し立てた乙区2番抵当権者E銀行は、先順位の乙区1番抵当権者D銀行に劣後するため、D銀行が売却代金から自己の債権を回収した残額からしか配当を受けることができません。両者の優劣は、同じ乙区内なので、順位番号により判定できます。 しかし、乙区のFの賃借権については、別の区である甲区とクロスさせながら判定します。Fの賃借権(平成16年1月25日受付)は、甲区の差押(平成15年12月25日受付)に後れるため、競売にもとづく売却により、その登記は抹消されます。

その結果、賃借権者Fは、競売により買い受けたCに対して、建物を明け渡さなければなりません。