《リビンマッチ》暴力団排除条項について

世間一般では、2011年に全国で暴力団排除条例が施行されて以来、暴力団排除、反社会的勢力の排除の動きがますます強化されています。
この流れを受けて、契約書を作る際には暴力団とかかわりのない旨を記載するケースが多くなりました。

暴力団排除条項について

契約書でよく目にする言葉として「暴力団排除条項」があります。
暴力団排除条項は略して「暴排条項」といったり、「反社会的勢力排除条項(反社条項)」とも呼ばれることもあります。

法務省の指針として、「反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入する」とあります。

要は暴力団とかかわりを持たないということを、契約の相手方へ表明し、保証するとともに、もしかかわりがあった場合には責任を負う、という内容の条項を「暴力団排除条項」といいます。

暴力団排除条項は、暴力団排除条例により契約書に記載することが「努力義務」とされています。
しかし「努力義務」ではあるものの、契約書には必ず入れておくようにしましょう。

暴力団のように脅しや詐欺、反社会的行為によって経済的利益追求を行う集団や個人を反社会的勢力といいます。
そのような勢力の活動は一般市民や企業、社会に対して不当な損害を与えることになりますので、厳しく取り締まる必要があります。
しかし、反社会的勢力は違法な行為のみでなく、通常の一般的な取引を装った形でも利益を得ようとしますので、犯罪を取り締まるだけでは追い付きません。

そこで反社会的勢力とのかかわり自体を無くそうという目的で、暴力団排除条例が施行されました。

条例により、不動産関係を含む、ありとあらゆる分野で反社会的勢力と取引しない、したとしても即刻取引を解消できるように契約書で記載できる条項が、暴力団排除条項です。

以前は反社会的勢力の不当な要求に応じないことが重要視されていましたが、現在では反社会的勢力と一切かかわりを持たないことが世間一般として求められており、取引していること自体がコンプライアンスに問題のある企業として悪評が立つことになります。
前述したように暴力団排除条項はあくまで努力義務ですが、記載を怠るとこういったリスクが生じることになります。

契約書に暴力団排除条項を定めていなかった場合、反社会的な取引と分かっていながら関係を継続しなければならないことになり、信用やイメージは大きく低下することになってしまいます。

また、暴力団や反社会的勢力とつながりがあるとの評判が広まれば、今後の健全な企業との取引も難しくなりかねません。
契約書に暴力団排除条項の記載がないと、反社会的な取引に巻き込まれてしまう恐れもあります。
不当要求や暴行、脅迫などの刑法に違反する違法行為を反社会的勢力から受けた場合には警察に相談することも可能ですが、契約などの取引上の問題に関して警察は民事不介入です。

そのため暴力団排除条項が無いと、契約の相手が反社会的勢力であってもすぐに解約することは難しくなります。
例えば、債務不履行が起こった場合であっても対応が難しくなることも少なくないので、努力義務とはいっても、暴力団排除条項を契約書に記載することは不可欠といえます。

契約における暴力団排除条項の重要性をご説明したところで、実際に条項を定めるにあたり注意すべき点を挙げておきたいと思います。

暴力団排除条項に従い反社会的な取引を排除するためには、対象となる「反社会的勢力」がどういった団体を指すのか、その定義を明確にしなければなりません。

契約書における反社会的勢力にあたるかどうかが明確でないために争いとなったり、明らかに反社会的勢力といえる対象が契約書の定義に当てはまらないとすれば、暴力団排除条項を作っても無意味となってしまいます。
関係を断つべき反社会的勢力は、必ずしも暴力団に所属しているわけではありません。
暴力団に深くかかわっている業者や人物であったり、準構成員やフロント企業はもちろんのこと、一般人であっても暴力団に利益供与を行っている会社や個人なども対象とする必要があります。

また反社会的勢力が行うような暴力行為、脅迫行為に及ぶときには、反社会的勢力の人間でなくとも契約解除が可能な暴力団排除条項とする必要があります。
対象が反社会的勢力であるという属性のみではなく、行為についても定めておきましょう。

暴力団排除条項においては、「反社会的勢力とかかわりのないこと」を表明し、お互いに保証し合う契約内容となります。
この表明保証する内容も適切に定めておく必要があります。

契約の当事者となる会社自体が暴力団であるという場合に限らず、社長のみが暴力団である場合や、暴力団と深いかかわりがある場合もまた、関係を断つべきケースといえるからです。

暴力団排除条項で表明保証に違反した際に行う契約解除は、無催告解除であることを定めておく必要があります。
また暴力団排除条項の違反を理由に解除をした際には、解除をした側から反社会的勢力に対し、金銭を支払わないことを明記しておくべきです。

無催告解除でも、解除した側は損害賠償を支払わなくて済みます。
逆に暴力団排除条項の違反を理由に契約解除となった場合、反社会的勢力側に損害賠償を請求することも定めることができます。
もちろん相手側からの請求は一切無効となります。

契約書に暴力団排除条項が入っていない場合には、記載するように交渉する必要があります。
契約の相手方が暴力団などの反社会的勢力でない場合であれば、暴力団排除条項を入れることに何のためらいも無い筈です。
条項を追加することを渋る相手であれば、契約を結んで取引することは止めておいたほうがいいかと思います。

以上のように暴力団排除条項は、反社会的勢力と一切かかわりが無く、該当もしないことなどを確約することにより、反社会的勢力が契約しにくくして、確約に違反した場合にはすぐさま解除できることや、こちらからの一方的な損害賠償請求できることを規定して、取引を解消しやすくしています。

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