「リビンマッチ・不動産契約解説サイト」今回は「土地の表示項目について」です。

不動産売買契約書には、売買物件を特定するために、契約書の冒頭や末尾に「物件目録」が添付されています。
この物件目録における該当する土地を特定するための表示項目は、「所在・地番」「地目」「地積」です。

各項目の説明を行いますが、とくに登記上の所在を表す「地番」は、私たちが日常で使っている住所、いわゆる住居表示とはまったく異なりますので注意が必要です。
地番と住居表示については後に詳しく説明するとして、まずは地目と地積の解説から入っていきたいと思います。

土地の表示項目

地目
地目とは、土地の用途を表すもので、不動産登記法で種類が定められています。
その種類は用途別に、田、宅地、学校用地、公衆道路、公園、山林、原野、雑種地などさまざまあります。
例えば山林を開発して宅地にするなどといったような、地目が変わった際には1か月以内に地目の変更登記をすることが法律で義務付けられています。

しかし、この規定が守られないこともあり、登記上の地目と現況の地目は必ずしも一致しません。
課税上の土地の評価は地目によって異なりますが、課税評価上の地目は現況の地目によります。
このように登記上と現況の地目が異なる場合、売買契約書の物件目録においては、最初に登記地目を記載して、その後にかっこ書きで「現況地目 ○○」と記載する形が多く見られます。

地積
地積とは、土地の面積のことです。
登記簿に記載されている地積は必ずしも実際の地積とは一致しません。
土地の売買契約では、登記された面積で売買するのか、それとも実際に測定し直して、正確な面積を確定して売買するのかを明確にする必要があります。

本来であれば、このような2通りの選択肢を設定できること自体がおかしいことです。
なぜかというと、登記面積と実測面積が違うということを前提にしたうえで、どちらを採用するのかを問うているからです。
このような慣習になってしまった原因の多くは、明治時代の地租改正にさかのぼります。

地租課税のために当時の人々が測量したのですが、測定作業を面倒がった役人は、税金を徴収される村人たち本人らに測定させました。
当然村人たちは、税金が少なくなるように実際よりも小さく測ったり、測量技術の未熟さ故に山林などは見取りで測られました。
その後の国土調査などの公的測量や、個人的な分筆などに伴う実測によって、登記上の面積が正しく改められた土地も存在します。

しかし、そのような機会に恵まれなかった土地は現在もなお、昔の不正確な面積情報のままとなっています。
売買契約の際には、暫定的にまず登記面積によって土地代金を決めておいて、後に実際に計測して、その面積にもとづいて最終的に代金を決める、といった方法もあります。

地番と住居表示の違い
住居表示が実施されているところでは、土地の地番は多くの場合において、日常使っている住所(住居表示番号)とは違っています。
このことは一般にはなかなか理解しづらいために、地番と住居表示番号は混同されがちとなります。
結論を先に述べてしまうと、地番と住居表示番号はまったく違う別の番号です。
不動産契約においては、地番と住居表示番号の違いを理解しておくことは大変重要となりますので、詳しく説明したいと思います。

地番とは、明治時代に行われた地租改正のために「公図」をつくった際、公図上で土地を特定するために、1筆ごとの土地に1番、2番……と順番に付けた番号です。

そのため公図を作成した当初は、地番は番号順に並んでいました。
しかし、例えば仮に、地番を1番とする1筆の大きな山が宅地造成され、100区画に分割されたとすると、土地を分ける「分筆」によって1番1から1番100までの地番ができてしまいます。
また反対に、複数の土地をひとつにする「合筆」が行われて、合筆された地番がなくなって地番が飛び飛びになってしまうこともあります。

このような、長い間に行われた分筆・合筆が繰り返された末に、結果として地番が順番に並ばなくなってしまったのです。
極端な場合には、1番1の隣の土地が50番ということも起こってくるわけです。
住所を表すため、昔から基本的には地番を利用していました。
しかしこういった事情により地番が順番に並ぶことがなくなり、地番によって住所を表していては家を探すことが難しくなってきました。

そこで新たに導入されたのが住居表示制度です。
住居表示制度とは、市街地において住所をわかりやすく表示する制度です。
従来の地番を無視して、現実の街区および建物の並び方に従って新しく番号(住居表示番号)を付け直し、この番号によって住所を表します。

具体的には、市街地を一定の範囲に区分して町名をつけて、その中の道路によって区切られた範囲である街区ごとに街区符号を、その街区内の区画ごとに住居番号を付けます。

住居表示制度が実施されることによって、登記上の所在の表示は字(あざ)の代わりに「○○×丁目」(例:富士見三丁目)や「○○町」(例:須田町)となり、また地番の代わりに「○番○号」と表示します。

住居表示は市街地を形成している地域で行われています。
ですから市街地形成がされていない農村部では実施されません。

住居表示が実施されていない地域では、住所を示すために従来通りの地番を利用して「○○番」の地番の土地の住所は「○○番地」とします。
ここで間違えてはならない注意すべきこととして、住居表示実施によって、登記上の”所在”は新しい町名に変わりますが、地番はあくまでも元のまま、変わっていません。

ただし、もとの地番に100とか200の数字を加算して、1番137が201番137のようになることがあります。
また、「○丁目」は登記では漢数字、住居表示ではアラビア数字を使います。

住居表示とは、住所の表し方で地番を利用するわかりづらい方法から、合理的な方法に変えるだけであって、登記に用いる地番には関係しません。

ひとつの土地を特定するために、目的に応じてふたつの方法があり、地番は登記で使うものとして、住居表示は郵便配達で使うものとして考えればいいでしょう。
法務局で登記資料を請求する際によくやる間違いとしては、地番の部分に住居表示番号を書いてしまうことがよくありますので要注意です。

以上が不動産売買契約書に添付される物件目録に、土地特定するための表示項目として存在する「地番」「地目」「地積」についての説明となります。
明治時代の地租改正を基礎とした方法と、現在の技術や利便性を優先した方法が両立しているせいでややこしくなっている部分があります。
とくに、登記上の所在を表す「地番」は、一般的に使われている住所とは違うため、特に注意が必要です。